大学はオンライン相談会で学生にアピール!どんな内容が人気?

大学が入学希望者向けに、オンライン相談会を開くケースが増えています。
基本的に対面式での進学相談会と変わりませんが、遠方の入学希望者も気軽に大学の情報を得られるため、人気が高まっています。
すでに実施している、もしくはこれから実施する大学側は、どのような準備をし、どのようなポイントを押さえれば最大限にアピールできるのでしょうか。

大学がオンライン相談会を開催する目的

大学が入学希望者向けにオンライン相談会を開催する目的は、もちろん学生を獲得するためです。
興味を持ってくれている段階からもう一歩踏み出してもらい、最終的に志望校に選んでもらうことが第一と言えます。
誰もが認識しているとおり、現在日本は人口減少が問題視されています。
その状況に対し、大学の数は直近10年で微増しており、少子化の波とは乖離する状況が進んでいるのが実情です。
文部科学省「学校基本調査」
当然のことながら、大学側は志願者確保のため、企業と同様に経営戦略が必要な時代となりました。
事実、私立大学の半数近くは定員割れしているのが現状ですから、学生の獲得は急務と言えるでしょう。
多くの大学が他大学との差別化を図り、時代に合った経営戦略を打ち出しています。
大学が前面に打ち出すべきことは、他大学では提供できないオリジナルの価値です。
入学希望者は学校を選べる状況ですから、なるべくたくさんの大学を比較検討し、同じ価値を感じる大学があれば、さらに細かく調べることでしょう。
最終的に意思決定につながるのは、もちろん大学の真価ですが、そもそもそれをきちんとアピールできるチャンスがなければなりません。
たくさんの大学を知りたい入学希望者と、なるべく多くの対象者に情報を与えたい大学側との思惑がまさに一致する仕組みが、オンライン相談会だと言えます。

理解されやすい情報発信方法

オンライン相談会のメリットは、入学希望者がどこにいても、対面式と同様の相談会が開けることです。
年齢的に若い世代がメインですから、遠く離れた場所に住んでいる場合は、たくさんの大学に直接足を運ぶことはかなり難しいのが実情でしょう。
オンライン相談会なら、手元にインターネット環境とスマホなどがあれば、どこからでも気兼ねなく相談会に参加できます。
同じくらい興味のある大学なら、片方がオンライン相談会可能、もう片方は不可能なら、それだけでリーチが変わる可能性すらあります。
すでに大学が独自のWebサイトを運営し、入学希望者向けの専用ページを設けるようになって久しいです。
まずは、インターネットで情報を検索するのが当たり前の時代、そこからもう一歩近づいてもらう手段として、今オンライン相談会が注目されています。
こうした取り組みを早くから行っている大学は、時代の流れに沿って柔軟な学びの場を提供している、最先端の大学だと理解されやすいでしょう。

大学がオンライン相談会でアピールすべき内容

それでは実際に、大学がオンライン相談会を行う場合、入学希望者に対してどのような情報を提供すべきでしょうか。
おおむねオンライン相談会の時間は、一人につき20分程度です。
すでに実施している主な大学の個別相談の内容は、以下のとおりです。

学部と進路

もっとも大事なのは、入学することでどのようなことについて学べるのかという情報です。
それぞれの学部学科の説明や学びの詳細、研究内容などのほか、その先にある就職などの進路について、実績をもとに相談に応じます。

入試

どのような入試システムで、どのような科目が出題されるかなどの相談に応じます。
具体的な学部学科があれば、より詳しく受験勉強などについてもアドバイスしましょう。

留学制度

大学が設けている留学制度の有無や、設けている場合の具体的な内容など相談に応じます。
近年はとくに留学希望者が増えているため、国やカリキュラムなど詳しく説明できるよう、資料を準備しておきましょう。

部活動やサークル活動

どのような部やサークルがあるか、それぞれの実績なども踏まえて相談に応じます。

寮や学食、一人暮らしなど

遠方に住んでいる場合、入学すると実家を離れて生活することになります。
大学側の受け入れシステムの有無や、一人暮らしする際のサポート体制の有無など相談に応じましょう。

オンライン相談会開催の流れ

具体的にどのような流れになるかは、基本的に大学側の都合で決定できます。
一般的な内容を見ていきましょう。

1 オンライン相談会システムの準備

大学内に安定的なインターネット環境と、PCやタブレット端末、Webカメラやマイクなどの機材を準備します。
専用のオンライン相談アプリと契約し、インストールしておきましょう。
設定が終わったら、通信状況をテストします。

2 オンライン相談会の希望者を登録

オンライン相談会は、予約制が一般的です。
事前に大学のホームページなどに申し込みフォームを設置し、必要事項を入力して、予約してもらう仕組みがおすすめです。
あらかじめどのようなことを相談したいか、質問の概要を入力してもらっておくとスムーズに進められます。
また、急に予定が変更する際の連絡手段も押さえておいてください。

オンライン相談会実施

当日は、5分前にアクセスできる環境を整えて待機しておきましょう。
もし、入学希望者側が開始時間から5分経過してもアクセスしてこない場合、その予約はキャンセル扱いにするのが一般的です。

オンライン相談会で気をつける点は?

大学側がオンライン相談会で気をつけるべきことは、質問に明瞭に答えることはもちろんとして、大学として統一したメッセージを発信することです。
入学希望者にアピールできる情報発信をするためには、大学内で認識を統一し、人によって情報がブレないよう統制しましょう。
また非対面とは言え、個別に深く接することが可能である大きなチャンスです。
相手を理解するよう努力し、そのとき伝えるべき情報をきちんと発信することが大切です。
相手はたくさんの大学を比較し、検討していることを忘れないようにしましょう。
漠然とした情報ではなく、大学で学べることや環境、入学する魅力などを具体的に伝えてください。
とくに大学の選択は、本人だけではなく、保護者の意思や教諭の意思などにも深く関わるケースが大半です。
実際に入学しないとわからない部分やキャンパスの空気感、学びやすさなどを知りたいと考えている入学希望者が多いことを理解してください。

まとめ

大学が入学希望者向けに、オンライン相談会を開催することが当たり前になりつつあります。
実際に入学してみないと、外部からではわかりにくい情報を得るために相談を申し込む人も多いため、しっかり入学後のイメージが浮かぶように、大学の価値や魅力を伝えましょう。
入学希望者は多くの場合、たくさんの大学を比較検討しています。
その中から勝ち抜き、最終的に受験してもらうためには、入学希望者や保護者一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢が求められます。
場所を問わず、フレキシブルに対応できるオンライン相談会は、これからも必須とされる大学側のサービスと言えるでしょう。
少子化と大学の増加で定員割れを起こす私立大学が多い中、ITをうまく取り入れ、ぜひ多くの学生から選ばれる大学になってください。