リモート接客を成功に導くには、対応する接客スタッフに、これまでとの店頭接客や対面接客とは特長が異なる業務を、浸透させることが大切です。
なぜ、リモート接客の導入が必要なのか、どんな特長やメリットがあるのかを知ることで、モチベーションも高まり、新しい業務に取り組みやすくなります。
リモート接客ならではの業務のやり方やノウハウも、しっかり浸透させることで、集客や販路拡大、売上げアップや人材活用などの目標を達成しやすくなります。
この記事の目次
リモート接客の目的や目標をスタッフに浸透させる
リモート接客を導入して、新たな事業を成功させるには、スタッフに浸透させることが不可欠です。
リモート接客に限らず、どんなことでも新たにサービスや事業をはじめる際は、スタッフが反発したり、必要性が分からないと不満を持ったりします。
やる気が起こらない人や、現状維持を望む方も少なくありません。
何事も変化が起こるのは不安ですので、現状維持を望む人が多いのが現実です。
新たなサービスを浸透させて成功させるには、まずスタッフにリモート接客を導入する目的や目標を浸透させましょう。
これにより、理解と協力が得られ、モチベーションも高めることが可能です。
遠方の客を取り込める
毎日、店頭にお客さんが来店しているから、リモート接客なんて必要ないと思うスタッフもいるかもしれません。
しかし、リモート接客を導入すれば、来店するのが距離的に難しい遠方の客をはじめ、全国や世界の顧客を取り込むことが可能で、販路拡大につながります。
来店が難しい客を取り込める
従来は得意客であっても、高齢や病気、家族の介護や子育てなどで、足が遠のいてしまうケースも少なくありません。
来店が難しくなった得意客をはじめ、新たな客層を取り込むことが可能です。
客単価アップにつながる
お店もあるうえに、オンラインショップも運営しているのだから「来店できない客はオンラインショップを利用するのではないか」「リモート接客なんて不要では」と思うスタッフもいるでしょう。
オンラインショップは、顧客が自分で選んで買い物をする仕組みです。
リモート接客は、まるでお店を訪れたように提案を受けたり、商品選びをスタッフに手伝ってもらったりしながら、買い物できます。
商品を動画で撮影してもらいながら、じっくりと見たり、サイズなどを確かめたりすることが可能です。
より分かりやすいので、客単価アップや売上げアップにつながります。
人材の有効活用ができる
少子高齢化やライフスタイルの変化で、地域の方の来店数が減っているケースも増えてきました。
企業やお店の経営側としては、人員のリストラも検討せざるを得ない中、スタッフにリモート接客業務をさせることで、遠方の客を取り込むなど販路拡大ができれば、スタッフを切らずに済みます。
近年、働き方改革も求められる中、在宅でのリモート接客業務をできるようにするなど、多様な働き方を提供することで、子育てや介護をしながら働ける道が開けます。
リモート接客の特長やメリットを浸透させる
経営側の目的や目標が分かっても、リモート接客業務のメリットが分からないと、スタッフに思うように浸透しません。
現在行っている店頭接客や、電話やメールでの問い合わせ対応で十分ではないか、遠方の人にはオンラインショップで買ってもらえばいいのではと困惑しているスタッフに、リモート接客業務の特長を浸透させることが大切です。
現在の接客スタイルや、他の接客方法との違いを浸透させましょう。
店頭接客や対面接客に近いリアルタイム対応ができる
リアルタイムで、顧客と画面越しに対面しながら接客ができます。
カメラやマイクを通す、目の前に顧客がいない、通信速度の関係で反応が遅れることがあるなどの違いはありますが、店頭接客や対面接客に近い対応が可能です。
お店が遠い、外出できない事情がある、天候が悪いなどの場合も、お客様のニーズに応えられます。
電話やメールよりコミュニケーションがしやすい
電話やメールで説明したり、注文を受けたりするのではダメなのかと感じているスタッフには、違いを浸透させましょう。
電話は声だけのやりとりとなり、お互いに表情を見られないほか、品物なども見られません。
分かりにくい、伝わりにくいほか、間違った案内や注文が発生するリスクがあります。
リモート接客はお互いの顔を見て、商品の映像を見せながら説明できるので、伝わりやすく、誤解が生まれにくいです。
メールのやりとりは、文章の分かりにくさや理解の齟齬が起こり、トラブルになりがちです。
文面では声のトーンが乗らないため、相手に冷たい印象を与えることも少なくありません。
リモート接客は、顔の表情、声も伝えられます。
店頭接客と同様、笑顔で明るい接客を基本に、おもてなしの心を伝えられます。
メールのやりとりやオンラインショッピングとは異なり、ビデオ通話で顔を見ながら、リアルタイムでコミュニケーションできるのも大きな違いです。
オンラインショッピングと異なり、提案販売や詳しい説明ができる
オンラインショップは、顧客が商品を自分で探して選んで、買うという仕組みです。
中には思ったように商品が見つけられない方や、画像が分かりにくい、説明が不足している、理解を誤るなどして、欲しくない商品を買ってしまう方も少なくありません。
リモート接客では、顧客の求めに応じて商品を探し出したり、新作やおすすめの商品を提案販売したりすることも可能です。
商品の映像を見せながら、詳しく説明をしたり、顧客の質問に丁寧に答えられたりするので、購入のミスを防ぎ、クレームや返品も減少させられます。
出社せず在宅でリモート業務も可能
通勤時間が長い、満員電車で通勤するのが苦痛な方や、子育てや家族の介護と両立させたい方も、業種や業務によってはリモートワークが可能です。
働き方の選択肢が増えるのは、スタッフにとってもメリットです。
リモート接客業務のノウハウをスタッフに浸透させる
店頭接客や対面接客で売上を上げるなど、能力が高い方やベテランの方でも、リモート接客ですぐにうまくいくとは限りません。
リモート接客業務ならではのノウハウをスタッフに浸透させ、販路拡大や売上アップに結び付けていくことが大切です。
スマホやタブレットをはじめ、カメラやマイクなど機器の使い方
店頭接客オンリーだった方の中には、スマホやタブレット、パソコンを業務で使ったことがない方もいます。
プライベートでスマホは使えても、オンラインでつなぎ、カメラで映し出したり、マイクで声を拾ってビデオ通話をするには操作を覚えたり、テクニックも身につけなくてはなりません。
商品の見せ方や説明の仕方
商品の見せ方や説明の仕方でも、顧客の反応が異なります。
正面だけでなく多方面から映す、バッグの中を開けて見せる、家電製品を動かして見せるなど、店頭にいるのと同じような体験を提供することがポイントです。
色やサイズ感は映像だけでは分かりにくいため、分かりやすいたとえをしたり、自分の体に合わせたりして、イメージを持ってもらうことが求められます。
顧客のニーズへの対応力
顧客の求めに応じて商品を選んだり、見せ方を変えたり、内部を案内したりと、臨機応変に対応できる力も養成しなくてはなりません。
商品をズームしたり、代わりに試着や試用をするなど工夫をこらしたりしながら、顧客が知りたいこと、確認したいこと、不安に思っていることを解決することがポイントです。
さらに、リモート接客業務ならではのおもてなしの方法もマスターする必要があります。