「コロナの影響で来店されるお客様が減少してしまい、売上が伸びない」という課題を解決するために、オンライン接客サービスの導入を真剣に考えている企業や店舗も多いでしょう。
新しいことに挑戦する際はリスクが付きものです。
しかし、成功事例をつぶさに分析し「あの企業はなぜ成功できたのか」という成功理由を理解できれば、いざ自社にオンライン接客を導入するときに、成功の可能性を大いに高められるでしょう。
この記事の目次
アパレル・ファッション業界のオンライン接客の特長と成功事例
アパレル・ファッション業界のオンライン接客の特長と成功事例は、以下のとおりです。それぞれ詳しく説明しますので、確認してみましょう。
アパレル・ファッション業界のオンライン接客の特長
コロナの影響を大きく受けた業界の1つが、アパレル業界・ファッション業界です。
オンライン接客を導入したブランドやショップでは、逆に売上を伸ばしているところも見られます。
アパレル商品はほかの商品と比べると、サイズ感や素材の質感などが購入のポイントとなることも多いです。
ビデオ通話を介したオンライン接客であれば、テキストや音声だけの接客と違って実物を画面越しに見せられるため、接客によってお客様の購買意欲を高められます。
また、コーディネートや着こなしの提案も、アイテムをお客様に見せながら行えます。
説得力が増し、成果につながりやすいのも特長です。
アパレル・ファッション業界の成功事例
アパレル・ファッション業界のオンライン接客の成功事例として、2つの企業をご紹介します。
ベイクルーズの事例
ジャーナルスタンダード、イエナ、エディフィスなど数多くのブランド商品を取りそろえるベイクルーズでは、Zoomアプリを活用したオンライン接客サービスを導入しています。
あらかじめ希望する時間を予約することで、各ブランドのスタッフとコミュニケーションを取れ、商品のサイズ感や素材の質感、コーディネート方法などを相談可能です。
また、オンライン接客だけでなく、ライブコマースやオンライン試着アプリなども積極的に導入しています。
23区の事例
オンワード樫山のブランド「23区」では、公式通販サイトに自動応答可能なチャット機能を搭載しています。
お客様からの質問にスピーディーに回答できる環境を用意しているだけでなく、銀座の旗艦店では試験的に「パーソナルスタイリング予約サービス」も導入しました。
このサービスを利用することで、お客様は遠方からでもアクセスが可能になるため、店舗としては商圏を拡大できます。
さらに、コロナで来店が減り、余剰気味であったスタッフを活用することで、人材を効率的に活用することが可能になりました。
コスメ業界のオンライン接客の特長と成功事例
コスメ業界も、アパレル・ファッション業界と似た構造を持っています。
これまではお店に足を運んでいただいたお客様に対して、美容部員と呼ばれる販売員が接客を行い、悩みに合わせた化粧品をおすすめしたり、メイク方法をレクチャーしたりすることで、商品販売につなげてきました。
しかし、コロナ禍では、お店に足を運ぶお客様が大きく減ってしまいました。
この状況を打破するために、各社はオンライン接客を導入してメイクの相談に応じたり、新商品の情報提供などを行ったりしています。
コスメ業界の成功事例
コスメ業界のオンライン接客の成功事例として、2つの企業をご紹介します。
オルビス
オルビスでは、2020年からオンラインカウンセリングをスタートさせ、オンライン上で肌の悩みやメイク方法などの相談に対応しています。
このサービスの特長は、予約とリアルタイムのどちらの方式にも対応している点です。
じっくり相談したいお客様は予約方式を、今すぐ質問に答えてほしいお客様はリアルタイム方式を選ぶことが可能です。
また、ZoomやLINEなどのアプリは不要なので、事前にインストールする手間もなく、気軽に利用できるのも人気の理由となっています。
花王
花王「est(エスト)」では、2022年7月からオンラインカウンセリングサービスを提供しており、商品やメイク方法などについて美容部員と1対1で相談ができます。
料金は一切かかりません。
このサービスは通常30分間ビデオ通話で行われますが、15分間カメラオフでも相談できる「クイックカウンセリング」もあり、より気軽に利用できます。
ジュエリー業界のオンライン接客の特長と成功事例
これまでのジュエリー業界の接客は、ほかの業界と比べて非常に特殊なものでした。
基本的に高級品であるジュエリーは価格が高く、対面で2時間以上かけて接客を行い、商品を購入してもらうというケースも珍しくはありませんでした。
しかし、現在ではビデオ通話機能を活用することで、店舗に足を運ばなくても、接客スタッフと時間をかけて商品選びを行えます。
また、ジュエリーショップは男性一人では入店しづらいと敬遠していた人も多いですが、オンラインならば気軽に利用しやすいというメリットもあります。
ジュエリー業界の成功事例
ジュエリー業界のオンライン接客の成功事例をご紹介します。
スワロフスキー
クリスタルのアクセサリーや時計などで人気の「スワロフスキー・ジャパン」では、2020年に旗艦店である銀座店にオンライン接客システムを導入したことで、顧客単価を他店舗の平均の5倍に増やすことに成功しています。
スワロフスキーでは、オンライン接客を完全予約制にすることでラグジュアリー感を演出し、1対1でじっくりと商品を選ぶ楽しさを提供するように心がけました。
また、これまでのお客様は40代・50代が中心でしたが、オンラインによって20代・30代のお客様の開拓にも成功しました。
家電業界のオンライン接客の特長と成功事例
テレビやパソコン、冷蔵庫、洗濯機など家電は同じような価格帯でも、メーカーによって特色が異なることがあります。
毎年のように新しい型番にリニューアルされるため、商品選びも難しいでしょう。
これまでは、家電量販店に各メーカーから専門的な知識を持つ販売スタッフが派遣され、対面接客を行うことでお客様の相談や商品の提案をしてきました。
しかし、コロナで対面での対応が難しくなったため、各社は売り場にオンライン接客システムを導入して、リモートでお客様の対応にあたるスタイルに変わってきています。
家電業界の成功事例
家電業界のオンライン接客の成功事例をご紹介します。
ビックカメラ
ビックカメラやその子会社であるコジマでは「dyson」「HP」「ブラザー」などのブランドで、オンライン接客サービスを提供しています。
専門のオペレーターが、お客様に最適な商品の選定や質問に対する回答、実機を使った操作方法の解説などを行うものです。
料金がかからずお客様側のカメラ機能はオフでもOK、ブラウザベースでアプリをインストールする必要もないなど、気軽さを武器に利用者を増やしています。
不動産業界のオンライン接客の特長と成功事例
従来の不動産業界の接客は、住宅購入に興味のあるお客様が住宅展示場やショールームに足を運び、対面で説明を受けながら物件をチェックしたり、ローンなどの相談に乗ってもらったりするのが一般的でした。
しかし、コロナの影響で見学会が中止になったり、開催しても人数が集まらない状況になったりしたため、多くの企業はオンライン接客を導入しました。
近年は規制緩和により、オンラインで重要事項の説明が可能になったり、物件契約が可能になったりするなど、不動産業界では今後さらにオンライン接客の導入が加速すると思われます。
不動産業界の成功事例
不動産業界のオンライン接客の成功事例を2つご紹介します。
東急リバブル
東急リバブルでは、ビデオ会議ツールの「Google Meet」を活用したオンライン接客サービスを提供しています。
ビデオ通話の双方向性を利用して、お客様が室内を中継することで査定を行ったり、お客様が興味を持った物件に営業スタッフが訪問し、室内の様子を確認してもらったりできます。
またビデオ会議ツールは、1体多でのコミュニケーションが可能です。
商談の際はスタッフとお客様だけでなく、税理士や弁護士など財務や法律の専門家も交えて、より密度の濃い話し合いができるのも魅力となっています。
LIXIL
「LIXILオンラインショールーム」では、ビデオ会議ツールであるZoomを使ってアクセスすることで、商品を案内してもらったり、自宅にいながら相談に回答してもらったりできます。
要予約でゆっくりと相談できる60分コースと、予約不要で利用できる15分コースがあり、ニーズに合わせて使い分けできるのも便利なところです。
オンライン接客サービスの反響は上々で、アンケートでは対面接待よりもオンライン接待のほうが、顧客満足度が高いという結果になっています。
利用者も、1年間で14,000組以上と盛況です。