自社の商品やサービスをお客様に安心して購入してもらうためには、お客様の抱いている不安や疑問を解消することが非常に重要です。
その役割としてこれまでは対面式の相談会が開催されていましたが、コロナの流行によってオンライン相談会へ移行する企業が増えてきました。
ここでは「自社でもオンライン相談会を導入すべきではないか?」と考えている方へ、オンライン相談会のやり方やメリット、導入時の注意点などを紹介していきます。
この記事の目次
オンライン相談会とは
オンライン相談会とは、インターネット上で企業が自社の商品やサービスについて、お客様からの質問に回答するために実施される相談会のことです。
従来の相談会と違って、担当者とお客様が直接対面する必要がありません。
そのため、新型コロナなどに感染する不安がなく、より安全で気軽にお客様に参加していただけることから注目されています。
不動産業界や金融業界などは取り組みにとくに積極的であり、対面方式のオンライン相談会よりも、お客様の満足度が高いという調査結果も出ているほどです。
オンライン相談会を実施するための準備
オンライン相談会は、導入するにあたってのハードルが低いのも魅力の1つです。
パソコン・スマートフォン・タブレットなどの端末と、インターネット環境、ビデオ会話を可能にするためのアプリがあれば、サービスを提供できます。
ハードウェア
オンライン相談会で使用する端末は、パソコン・スマートフォン・タブレットのどれでも構いませんが、ハードウェアのスペックがあまり低すぎると、処理落ちが起こってスムーズな対応ができなくなってしまいます。
お客様の満足度を上げるためにも、スペックに余裕があり、快適に動作するハードウェアを用意しましょう。
マイク機能やカメラ機能は、スマートフォンや一部のタブレットでは最初から搭載されていますが、パソコンの場合は別途Webカメラやマイク・ヘッドセットが必要になります。
スマホの場合でも、マイクやヘッドセットを接続したほうが周囲の音声を拾いにくく、担当者の話していることが聞き取りやすくなるのでおすすめです。
また、必須ではありませんが、照明器具もあったほうがベターです。
部屋が暗いと担当者の表情が見えにくかったり、資料が読み取りづらくなったりしてしまいます。
さらに、スマートフォンやタブレットの場合は、端末を固定する三脚があると画面が安定するので見やすくなります。
インターネット環境
パソコンでオンライン相談会を行う場合は、安定したインターネット回線が必要です。
通信が不安定だと、会話や動画が途切れ途切れになってしまい、内容が伝わりません。
すぐ復旧できればよいですが、時間がかかってしまえばお客様の購入意欲が削がれてしまうなど、大きな機会損失につながってしまうでしょう。
万が一のときに切り替え可能なサブ回線を用意しておくなど、事前にしっかりとした対応策を準備しておく必要があります。
ツール
ビデオ通話機能を使ってオンライン相談会を実施するためには、ツールも必要です。
現在では、多くの企業がウェブ会議ツールやオンライン接客ツールを使っています。
ウェブ会議ツール
主なウェブ会議ツールには「Zoom」「LINEミーティング」「Microsoft Teams」などがあります。
どのツールも無料で使えるため、導入の際の初期費用を抑えられるのがメリットです。
「Zoom」は、アカウントがなくても利用できる手軽さが特長です。
「LINEミーティング」は普及率の高さや操作しやすさ、「Microsoft Teams」ではExcelやWordなどOfficeソフトと親和性が高く、資料共有に便利といった特長があります。
自社のサービスと相性のよいツールを選ぶことが重要になるでしょう。
オンライン接客ツール
オンライン接客ツールは、ビデオ通話を通じて接客対応ができるツールです。
ウェブ会議ツールと違って料金がかかりますが、手厚いサポートを受けられるので安心です。
また、ウェブ会議ツールは企業側の端末だけでなく、お客様の端末にもツールをインストールしなければ利用できません。
しかし、オンライン接客ツールであれば、インストール不要で利用できるため、利用者のハードルを下げられます。
オンライン相談会を実施する企業が増えている理由は?
最近は、オンライン相談会を実施する企業が急激に増えてきて、すでに参加したことがある方も多いでしょう。
このような傾向の背景としては、コロナ対策という側面がやはり大きいですが、それだけが理由ではありません。
従来の対面での相談会と比較すると、オンライン相談会には次のようなメリットがあります。
どこからでも相談できる
従来の相談会では、利用者が現地まで出向いて行く必要がありました。
相談会場まで遠ければ時間もかかるうえ、交通費も必要です。
しかし、オンラインであれば外出の必要がありません。
自宅など好きな場所から相談ができ、速やかに問題や悩みを解決できます。
企業側にとっても、これまで参加が難しかった遠方のお客様にも利用していただけるため、商圏を一気に広げられるのも大きな魅力です。
心理的なハードルを下げられる
相談内容が些細なものだと「わざわざ相談会まで出向いて質問するのもなぁ・・・」という気分になってしまいがちです。
また、人前で話すことが苦手で、対面だと緊張してしまう人もいると思います。
このような場合もオンラインであれば「少しだけ相談してみようかな」という気持ちになります。
画面越しならば、そこまで緊張することもないでしょう。
企業としても、これまで相談会の参加に消極的だったお客様からのアプローチが増えるわけですから、成果につながりやすくなります。
コストの削減につながる
これまでの相談会では、会場を確保するための費用や設営のための費用、スタッフの交通費などが必要でした。
しかし、オンライン相談会であれば会社の会議室などで相談を受けられるので、相談会にかかるコストを大幅に削減できます。
また、資料の内容については動画を見直せるので、お客様一人ひとりに資料を配布する必要がなく、紙代や印刷代もかかりません。
オンライン相談会で注意すべきポイント
オンライン相談会は基本的に非常にメリットの多い手法ですが、導入や利用にあたっては注意しなければならないこともあります。
オンラインならではのコミュニケーション方法を身につける
対面もオンラインでの相談も、相手の顔を見ながらリアルタイムでコミュニケーションをとるという点では同じです。
しかし、画面越しでは相手の表情や反応を十分に理解することが難しいため、意思疎通が難しくなります。
スムーズな意思疎通のためには、経験や慣れが必要になるでしょう。
研修でオンライン独特のリアクション方法を学ぶことも、重要なポイントです。
ツールの操作方法をマスターしておく
研修などで、ツールの操作方法をマスターしておくことも重要です。
操作に不慣れで自信なさげな姿を見せてしまうと、利用者は「この人に大切な問題を相談しても大丈夫なのだろうか」と不安な思いになってしまいます。
また、ウェブ会議ツールを使っている場合は、お客様にも同じツールをインストールしてもらって、操作してもらう必要があります。
操作がわからないと途中で離脱されてしまうこともあるので、使い方を教えられる程度のITのリテラシーを身につけておくべきです。
オンラインを意識した資料作り
オンライン相談会では、相談者に理解を深めてもらうために、図やグラフ、具体的な数字などを見せながら説明を行う機会も少なくありません。
しかし、スマホのような小さな画面では表示サイズがかぎられているので、図やグラフが画面の中に入り切らなかったり、数字が小さくなりすぎて読み取れなかったりする可能性もあります。
実際に相談会を実施する前にリハーサルを行い、オンライン上でも視認性の高い資料を作ることを心がけましょう。