来院しないで早期発見につながるオンライン医療相談

これまで診察は、実際に体を診て行わないと無理だと思われていました。
診察をはじめ、薬の処方を出すにも対面診察が基本でした。
もっとも、感染症の感染拡大による対策として、オンライン診療やオンライン処方が認められるようになり、普及が進んでいます。
まだオンライン医療相談を実施しておらず、導入を迷っているクリニックも多いかもしれません。
オンライン医療相談を実施するメリットについてご紹介します。

オンライン医療相談のメリット

オンライン医療相談は、患者にとって多くのメリットがあるので、相談したい方が増えます。
これまでクリニックを利用したことがない方も患者になる可能性があるので、患者数を増やしたいクリニックにもおすすめです。
立地や環境などの問題で来院数が伸び悩み、ほかの病院などにアルバイトに行っている方も、オンライン医療相談の導入で、アルバイトをせずに収入アップが望めるかもしれません。
以下で、患者数が増えるオンライン医療相談のメリットや、患者さんにとってのメリットをご紹介します。

医療機関が遠い地域でも相談できる

地域によっては病院もクリニックも近くになく、来院したくても、できずに困っている人もいます。
急病であれば救急車を手配しますが、風邪や腹痛などのちょっとした症状の相談や、慢性的な症状の経過観察をしてもらいたいときには、わざわざ医療機関に来院しないでも、医師の診察が受けられると便利で安心です。
オンライン医療相談は地域の枠を超え、幅広い地域の方を患者として集客できるメリットがあります。

ちょっとした悩みも相談しやすい

オンライン医療相談なら来院しないでも、自宅や職場などからパソコンやタブレット、スマホを使って簡単に相談ができます。
わざわざ病院に行くまでもないと感じる、ちょっとした症状や気になっている悩みも相談しやすいです。
医療機関に行くべき症状かわからない方も、気軽に相談できます。
相談したいけれど、ちょっと恥ずかしいといった症状の方も、医療機関に足を運ぶ必要がないので、安心して相談することが可能です。

早期発見につながる

本人は大したことがないと思っていたり、医療機関に行くまでもないと思っていたりした症状でも、実は大きな病気であるケースも少なくありません。
オンライン医療相談をしてもらえば、来院しないでも早期発見につながる期待が持てます。
問診や顔色、表情、気になっている部分をカメラで映し出してもらい、疑われる症状を診断できます。
症状が疑われる場合には、実際に来院しての検査をすすめられ、早期発見・早期治療につなげることが可能です。
医師としての使命も遂行でき、患者にとってもメリットが高いです。

子育て中でも相談できる

オンライン医療相談のニーズが高いのが、子育て中の方です。
「小さなお子さまを医療機関に連れて行くのが大変」「軽い症状なので、医療機関に行ってかえって重い病気に感染しないか不安」といったお母さんが、子どもを診てほしいというニーズがあります。
また、子育てで自分のことが後回しになってしまう方や、子どもを預けるところがないと困っているお母さん自身も、オンライン医療相談へのニーズが高いです。
来院しないでも相談できるので、子育て中のお母さんや、そのお子さんからの利用も増やせます。

外出が難しい方も相談できる

子育て中の方をはじめ、家族の介護で24時間つきっきりで、自分のことがおろそかになってしまう方も、オンラインなら自宅でできるので、介護の合間に医療相談ができます。
高齢で外出が難しくなっている方や、免許返納で移動手段がなく病院に行きにくくなった方、ケガをして動けない方や腰痛などで歩くのが辛い方なども、オンラインなら医療相談が可能です。

慢性的な症状の継続ケアができる

高血圧や糖尿病など慢性的な症状の場合、症状が安定していれば、実際に来院しなくても、オンライン診療とオンライン処方で対応できる場合があります。
慢性的な症状を抱える方の中には仕事で忙しく、ついつい来院を怠って薬が切れるなど、症状を悪化させてしまう方も少なくありません。
来院しないでも診療が受けられれば、継続的な管理をしっかり行えるようになります。
オンライン医療相談で数値の確認や症状、顔色などを確認し、気になる点があれば来院を促すことが可能なので、適切なケアにつながります。
現在は来院している方も、症状が落ち着いていれば、オンライン診療に切り替えることが可能です。

訪問医療より低コストでスピーディー

高齢者や病気、ケガで動けない方への診療手段としては、訪問医療もあります。
もっとも、訪問医療を実施している医療機関はまだ少なく、利用にも条件などがあります。
医師側も、訪問医療を実施するとなれば、条件を満たしたり、車両や機器を用意したり、人材も確保したりしなくてはなりません。
これに対して、オンライン医療相談なら、パソコンとカメラやマイク、専用のツールなどをそろえれば、医師一人でもはじめられます。
よりスピーディーかつ低コストで、遠方にいる患者や外出が難しい方、慢性的な症状を抱える方の診察ができるようになるのが、メリットです。

オンライン医療相談のポイント

来院しないでも早期発見につながるなど、メリットも多いオンライン医療相談をスムーズに実施していくために、気をつけたいポイントを確認していきましょう。

環境を整える

パソコンやタブレット、専用ツールなどの機器類を整えることをはじめ、インターネット環境も見直しましょう。
患者側の問題で通信が途絶える場合もありますが、医療機関側の問題で、話が途切れ途切れになったり、途中でフリーズしたり、回線が切れたりすることは避けたいものです。
安定したビデオ通話ができるよう、高品質な高速回線に切り替えるなどしましょう。

ヒアリングをしっかり行う

聴診器を当てたり、レントゲン検査を行ったりするなど、実際に体を診られないため、ヒアリングが大切になります。
問診をしっかり行って、患者の異常や異変に気づけるようにすることが大切です。

画面上で可能な限り確認を行う

問診だけで終わらせるのではなく、画面上で確認できることは隈なくチェックしましょう。
顔色や表情、痛みがある部分や気になっている部分などを、可能な限りカメラに映し出して見せてもらいます。
たとえば、風邪と思われる症状の場合、喉が腫れていないかなど、口を大きく開いてもらうことで、カメラの映像を通じてある程度の確認が可能です。
転んだり、ぶつけたりした部分が内出血していないかなども、確認できます。
画質の問題で、正しい色が映らない場合もありますが、おかしいなと思える点が見つかることも多いです。

懸念があれば来院や検査をすすめる

来院しないでも、早期発見につなげられるオンライン医療相談ですが、それで終わっては意味がありません。
病気などが疑われる症状があれば来院を促したり、専門の医療機関で検査を受けるよう促したりすることも重要な役割です。
その後に患者さんがきちんと検査を受け、実際に早期発見がなされれば、早期治療ができます。
症状が悪化したり、治療が間に合わず死亡したりするリスクを抑えることが可能です。
ご自身のクリニックで対応ができない場合や、場所が遠いといった場合には、近隣にある専門の医療機関を紹介するなども大切です。
どのような医療機関にかかればいいのか、適切な情報提供をすることで、早期発見・早期治療をオンラインでもサポートできます。